平成21年1月の糸満市古波蔵での不発弾事故により、沖縄県では土木建築工事の際、磁気探査を義務化する意向を示しています。それにより、沖縄県内では磁気探査が必要不可欠な状況になっています。
現在、磁気探査では両コイル型磁気傾度計(以下磁気傾度計と示す)が主に使用されています。現在使用している磁気傾度計の多くは、各磁気探査業者により制作されたものが大半を占めています。そのため、磁気傾度計の性能および特性等に差異が存在します。また今日のデジタル社会において、出力データがアナログ出力のみの物が大半を占めています。
そこで弊社は、磁気傾度計の性能および特性等の向上、アナログ・デジタルデータの出力を目的とし、他社との共同開発により磁気傾度計の製品化を行いました。
水平磁気探査機器一式 鉛直磁気探査機器一式
用 途
磁気探査・根入れ調査
特 徴
水平探査、鉛直探査の両探査方法に対応しています。無線ユニット搭載で、探査地点と記録地点が遠距離の場合でも、施工性の良い探査が可能です。
鉛直探査では、深度計(シーブ)を使用する事で測定深度をより正確に測定できます。また、本製品はデジタル出力機能を搭載しており、パソコンへのデータの取り込みが可能です。
本製品は以下の機器により構成されています。
項目 | 仕様 |
---|---|
測定方法 | 両コイル型磁気傾度計 |
電源電圧 | DC12V バッテリー内蔵型 |
連続使用時間 | 6〜8時間 |
使用温度範囲 | −10〜60°C |
増幅器寸法 | 260(W)×230(W)×99(H)mm(送受信共) |
センサ寸法 | φ25.4×1410mm(鉛直センサ) φ50.0×1990mm(水平センサ) |
センサコイル間距離 | 1.0m(鉛直センサ) 1.6m(水平センサ) |
基本原理
地球磁場によって感応磁気を生じた鉄類の近傍において、コイルを軸方向に移動させると起電力が発生します。起電力は、コイル軸方向の磁場の強さの変化率に比例します。この起電力を、磁気信号として取り込み、磁気傾度計からの距離、磁気量を算出することで磁気探査を行っています。
下図の様に、磁石にコイルを近づけたり遠ざけたりすると、コイルは磁石から発生する磁場の影響を受け、瞬間的に電気を発生します。この時発生する電気は、「誘導起電力」と言われるものです。磁場を持つ磁性体の近くをコイルが通過した際に、必ず生じる現象です。
本製品は、この現象を基本としており、磁気探査場所においてコイルを内蔵したセンサを移動させます。センサが、地中に埋没している磁性体(鉄類)の側を通過した際に発生する起電力を測定します。
しかし、センサを移動させる場合、センサが動揺するために地球自体が持つ地磁気の影響を大きく受けてしまいます(動揺ノイズ)。そのため、地中に埋没した磁性体の微小な磁場のみを測定することは困難になります。
そこで、本製品ではセンサ内部において同一軸方向に、感度が同一のコイルを二つ配備し、出力極性が逆になるように接続しています。
両コイル型磁気傾度計簡易モデル
これにより、地磁気により発生する起電力(動揺ノイズ)は、二つのコイルから出る対称な電圧により相殺されます。その結果、出力信号のSN比が向上し、磁性体から発生する起電力を正確に測定することが可能になります。
また、センサ内部に組み込まれたコイルの芯には、高透磁率磁性体を用いています。地中に埋没した磁性体が微小な磁場しか発生していなくても、この高透磁率磁性体により微小な磁場を感知し、測定することが可能になります。
■標準価格
オープン価格
■販売元
〒904−2172
沖縄県沖縄市泡瀬一丁目39番26号
株式会社 沖縄計測
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